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オーディオ Power AMPの製作 その2 [オーディオ]

昨年末に1台 小出力(4W)の純A級パワーAMPを製作したのに
続き、今回も4~6W程度のパワーAMPを製作した。
(実験機でバラック状態だが、、)

1、設計コンセプト
 今回の設計では、純A級ではなく、25年前に流行った 
 Non-Switchingタイプの準A級方式?としている。
 Non-Switching方式は出力段パワーTr電流(アイドリング電流)が
 カットオフすることなく僅かでも良いので流れている状態を保つ
 ように動作するものである。
  25年前にYAMAHAがH.C.A(Hyperbolic Conversion Amplification)
 が有名どころであるが、要はTranslinear circuitの応用である。
 Translinear回路は、Tr(Di)のVf特性がLog関数特性であることを利用
 Bias回路を構成することで、出力段シングルエンドPush-Pull Tr において
 出力負荷電流に寄らずB級AMPではカットする側のTrにも僅かであるが
 アイドリング電流を保つというものである。
 結果、カットオフしないのでB級よりA級に近い動作になり歪特性
 に有利と言われている。

 ・今回は上記のTranlinear回路を採用し、なるべくシンプルなものする。
  一見、これが?と思うかもしれないが、ちゃんと動作する。

2、回路設計
kaitro.jpg

 ・回路構成はOp-AMP+バッファーとした。
 ・バッファーの部分がTranslinear回路である。
 ・定電流ダイオードを用いて回路をシンプル化しバイアスの
  安定化を図っている
 ・Bias回路の抵抗値は8.2K、50KVR、8.2K の接続とした。
  もう少し抵抗値を下げた方がよさそう。4.7K、20KVR、4.7K が
  良いだろう。
 ・出力段はダーリントンTr:2SD2560/2SB1647 のコンプリ
  を用いている。これは安価であるが、メーカー製オーディオAMP
  でも採用実績がある名器だ。(ちょっと大きすぎた)
  hfeが数1000あるのでひじょうに便利。
 ・Translinear回路では出力段Tr のエミッターに電流帰還用の抵抗
 (0.22~0.47Ω)を挿入できない。(入れると普通のB級になる)
  なので、Biasの安定化には非常に神経を使う。
  今回は前段のBias回路のNPN、PNP Trを出力段Trにエポキシ接着剤
  で接着している。数時間かけてアイドリングを確認
  したが、何とか熱暴走状態にはならないようだ。
  アイドリング電流値:0.20Aとした。(約0.5Wまでは純A級)
 ・電源は小出力ということもあり AC9-0-9V 2A程の物で
  実験している。

3、組み立て(後)
 ・バラックなので、、、パス

4、特性
 ・まずはTranslinear回路として動作しているのかを確認する
  出力段Trのコレクターに0.47Ωを挿入して発生する電圧
  波形を見ることで電流をモニターできる。
DSCN2881.JPG
 ※負荷8Ω抵抗、出力振幅=10Vpp f=10Khz

 10KHzの正弦波である。下側が抵抗(出力段NPN Tr 側)の電圧波形である。
 電源リップルを受けて波形が塗り絵状態だが包絡線を観測すると
 下に振れているいるとき(つまりPNPがON状態のとき)でも
 上側のNPN TrもON状態を保っていることが観測できる。

DSCN2883.JPG
 位相補償は出来高である。矩形波でも少しリンギングがあるが
 この程度ならOKとした。
 この状態で周波数特性 350KHz/-3dB @10Vpp である。
 歪特性は手持ちの機材では 0.01%前後をフラフラしているが、
 これは機材の特性だろう。

5、音質
 小出力AMPだが、前回のA級AMPと比較しても遜色ない
 音質である。
 なにより、発熱が少ないのが精神的に良い!

6、所感
 個人的にはオーディオAMPは純A級しか製作してこなかったが
 こうして、準A級方式も作ってみると悪くない。
 放熱器、トランスなどコストパフォーマンスが良いのだ。
 メーカがこぞって採用した気持ちが分かるなア。

 現代では、デジタル(D級)アンプが主役になりつつあるが、
 効率だけは語れない何かがあるのがアナログアンプなのだ。

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